2011/04/22

自粛という名の下の二次災害を防ごう

震災の後、世の中には自粛ムードが漂っている。特に関東以東においては、東京電力による無計画停電や福島原発の問題もあり、この傾向が強い。しかし、被災地復興と日本経済全体の復興のためにも、直ちに自粛をやめ、積極的な消費を行うべきである。特に西日本においては、電力不足は全く関係ない。節電など考えずに、積極的に電気を消耗したほうが経済効果がある。


東京電力や東北電力の管内では、夏場の日中に電力の供給不足の問題は、確かにある。しかし、これもあくまでも日中だけの話だ。夜間に行う野球のナイターなどは積極的に行うべきだ。また土日については、電力供給はほとんど心配がない。土日に行われるイベントは積極的に開催すべきだ。電力供給に懸念の少ない6月までであれば、平日も土日も、日中も夜間も、自粛せずに通常通りにすべきだ。


学校の入学式や、花見、コンサートなどのイベントも積極的に行うべきである。この時期のイベントは小売店や飲食店にとっては書き入れ時である。さらにカメラなどが売れる時期でもある。仮にすべてのイベントの1割でも自粛してしまえば、経済的なダメージは計り知れない。


かつて、江戸時代の後期には、財政が悪化した幕府が何度も緊縮財政を行った。この時、問題だったのは、幕府が緊縮財政を行うだけでなく、全国津々浦々に消費を自粛させたことだ。これによって経済活動が滞り、世の中が深刻な不況に襲われた。しかも幕府は懲りずにこのようなトンチンカンな政策を何度も繰り返した。現代の日本人は江戸時代よりも多少は知恵がついているはずだ。このような愚行を繰り返してはいけない。



(2011年5月 橋本 歌麻呂)