2012/12/31

立場が違えば意見も違う?

私が勤める会社の研修で、ある社員が弁護士の講演する相続税のセミナーに参加し、その感想を社長が聞いたところ、「相続は相続人全員が納得するまで話し合い、争いにならないようにまとめるのがプロの仕事だと先生は話されていました。全くその通りですね。」と言っていたそうです。

 それを聞いた社長は。その社員に「○○さん、弁護士は争いが長くなるほど報酬が増えます。税理士は早く相続税の申告書を作らないと報酬が入りません。その人がどういう立場なのか話を理解して聞かないと本質を見誤ります。」と答えたそうです。(誤解の無いようにお伝えしますが、税理士がだから相続人の意見を無視して進めるということではありません。)
 また、会社を倒産させるか継続するかの判断で弁護士に相談に行くと倒産させましょうという意見が多く、税理士はどうにか存続させる方法を模索します。弁護士は破産や民事再生でお金を稼ぐものですし、税理士は会社が倒産するとお客様が1件なくなります。立場が違えば意見も違うのが当然です。

 では、私達中小企業診断士はどうでしょうか。後者の方が多いかもしれません。
しかし、中には無理やり存続を勧め、達成できない事業計画を作成して銀行に出し、資金が引き出せたら手数料を頂く、というコンサルタントもいます。仕事柄、直接ではなくても、診断士も含めたいろいろなコンサルの方の話を聞く機会がありますが、表面的に体裁を整え、自分中心のコンサルをしている方が多いような気がします。最初は志を高く持って資格を取ったり、仕事をしていたのだと思いますが、いつの間にかそれを見失っているのではないでしょうか。

 あるテレビで、長寿企業の特集をしていたそうですが、200年以上続いている企業に共通することは、①勤勉、②正直、③倹約、④堪忍、⑤知足 だそうです。ちなみに、200年以上続いている企業が日本では3,100社程度あるそうです。2位はドイツで800社、3位はオランダで200社だそうです。日本がダントツです。コンサルタントとして100年、200年続く会社を目指すかどうかは別として、目先の利益に捉われず、このようなことを忘れずに日々仕事に励みたいものです。

 そして、2013年、時代が大きく動こうとしていますが、原理原則は100年前もこれからも不変だと思います。
(2013年1月 山崎 貴則)