2014/07/14

返報性の法則

心理学で有名な法則に、返報性の法則というのがあります。好意を受けたら好意で返す、悪意を受けたら悪意で返す、というものですね。あまりにも有名な法則なので、みなさんも聞いたことがあると思います。

最近は、この返報性の法則が日常生活でも、職場でも、家族間でもとても重要だとつくづく感じます。例えば、職場の状況を思い浮かべてみてください。普通、会社員であれば役割が決まっていて、仕事内容も決まっています。ただ、いつもやるべきことが決まっていて、自力で解決できるわけではありません。まわりの人や、時には他の部門の人から協力を得て、仕事を進めることが多いものです。みなさんは、まわりの人や他部門の人に協力を依頼したときに、快く引き受けてくれるでしょうか。

もちろん、頼んだ相手にとっても仕事であれば、普通は協力してくれるでしょう。また、あなたがあまりにも困っていれば、同情して協力してくれるかもしれません。しかし、もし相手が以前あなたに好意を受けていたのなら、仕事上の義務でなくても、あなたが同情されるくらい困っていなくても、喜んで協力してくれるはずです。反対に、あなたに対して悪意を以前受けていたのなら、例え仕事上の義務だとしても、全力で非協力的な態度をとるでしょう。自分がいつ困った事態になるかわからないことを考えると、常日頃からまわりに好意を振りまいているのが、間違いなく得策です。

しかし、常日頃から周りに好意を振りまいておくのが得策だとわかっていても、なかなかできないのが、人間の弱いところです。プライドとかこだわり、仕事負荷の不公平感などいろいろな感情が壁になってしまっています。そんな余計な感情や目の前の損得を忘れて、長期的な視点でモノゴトに取り組むことができれば、どんなにいいだろうかと考えてしまいます。考えているだけでは、何も進まないので、ひとつひとつできるところから手をつけたいと思います。
(2014年7月 橋本 歌麻呂)