2016/11/06

経営理念がどのように経営に役立つか考える

 「経営理念」と聞いて何を思い浮かべるだろうか。経営理念を達成するために社員が理念に基づいた行動を徹底している企業。HP上で経営理念をうたっているだけで、実際にはその理念が形骸化してしまっている企業。どちらもありえることだ。そこで実際の経営に経営理念がどのように役立つか、考えてみたいと思う。

 そもそも経営理念とは何だろうか。「企業の経営する上での目的。何のために経営を行うか」が経営理念にあたる。また、経営理念をより具体的な行動基準に落とし込んだものとして、「クレド」がある。ディズニーで例を挙げると、次のとおりだ。

経営理念は「すべてのゲストにハピネスを提供する」。ゲストとは顧客のことだ。顧客満足度を上げるとも言い換えられる。それに対応する行動基準(クレド)をひとつ紹介すると、「礼儀正しさ」(すべてのゲストはVIPであると考え対応する)がある。
この行動基準をもとに従業員は、笑顔・挨拶・アイコンタクト(相手の目をみて対応する)、の3つを具体的行動として求められている。一例ではあるが、こういった理念と行動基準が従業員に根付いているからこそ、ディズニーは高い顧客満足度を維持しているといえる。

ディズニーランドでの例を挙げてみたが、経営理念とクレドが浸透していると、以下3点の良い効果があると考える。
経営者と社員との間で同じ考えを共有できるため、社内コミュニケーションが取りやすくなる
明確な行動基準があるため、目先の利益に捉われえず、長期的目線での判断ができる
経営理念に基づいた行動をとるため、社外からの信頼向上に繋がる

 経営理念を策定していない企業、浸透させきれていない企業もまだまだ多いと聞く。そういった企業にこそ経営理念が根付いてくると、よりより経営に繋がるのではないかと思う。

2016年10月 野見山 真成