そもそも経営理念とは何だろうか。「企業の経営する上での目的。何のために経営を行うか」が経営理念にあたる。また、経営理念をより具体的な行動基準に落とし込んだものとして、「クレド」がある。ディズニーで例を挙げると、次のとおりだ。
経営理念は「すべてのゲストにハピネスを提供する」。ゲストとは顧客のことだ。顧客満足度を上げるとも言い換えられる。それに対応する行動基準(クレド)をひとつ紹介すると、「礼儀正しさ」(すべてのゲストはVIPであると考え対応する)がある。
この行動基準をもとに従業員は、笑顔・挨拶・アイコンタクト(相手の目をみて対応する)、の3つを具体的行動として求められている。一例ではあるが、こういった理念と行動基準が従業員に根付いているからこそ、ディズニーは高い顧客満足度を維持しているといえる。
ディズニーランドでの例を挙げてみたが、経営理念とクレドが浸透していると、以下3点の良い効果があると考える。
① 経営者と社員との間で同じ考えを共有できるため、社内コミュニケーションが取りやすくなる
② 明確な行動基準があるため、目先の利益に捉われえず、長期的目線での判断ができる
③ 経営理念に基づいた行動をとるため、社外からの信頼向上に繋がる
経営理念を策定していない企業、浸透させきれていない企業もまだまだ多いと聞く。そういった企業にこそ経営理念が根付いてくると、よりより経営に繋がるのではないかと思う。
2016年10月 野見山 真成