2010/04/19

Start Me Up

世の中は新入学・新入社の季節であり、真新しい制服やスーツに身を包んだ新人たちを目にする機会が多い。ウチの長女も4月から中学生になり、真新しい制服を着て、真新しい自転車に乗り、真新しいヘルメットをかぶって通学している。
先日、会社の業務の一環として、毎年恒例である新入社員研修の講師を務めた。今年は2日間、新入社員36人に対して、社会人としての心構えやビジネスマナー、名刺交換の仕方、敬語の使い方などについて指導した(自分がちゃんと出来ていないのでは?と思わないでもないですが…)。今年で4回目にあたり、年によって若干の雰囲気の違いはあるが、新人達は一様に、これからの新たなスタートに大きな希望と若干の不安を持ち、真剣な眼差しで研修に臨んでいた。
さて、自分のことを振り返ってみると、中小企業診断士に合格して8年近くが経った。合格当初は今年の新人達と同じように、これからのコンサルタントとしての自分の将来に不安を持ちつつも、大きなビジョンを掲げていた。合格して3年目、2004年3月1日の中央支会のメールマガジンに次のように投稿している。「一生を懸けて、クライアントの全てを受け止められるコンサルタントになること。これが私のビジョンです。これからも、このビジョンに向かって我武者羅に突っ走っていきたいと思います。」この想いは今でも変わっていない。しかし、今、本当に我武者羅に突っ走っているか?と問われると、首を縦に振れないような気がする。
現業について約4年、IPOや内部統制などの上場企業絡みの案件を経て、現在は主に事業再生案件に携わっている。仕事にやりがいは感じているし、自らの成長も感じている。社長や大企業の取締役クラスに対しても、なんとか話が出来るようになった。しかし、どうも以前のような我武者羅さ・ひた向きさが足りないように思う。その理由の一つが、自律的にやっているのではなく、やらされている感が拭えないことにあるのではないかと感じている。現業の場合、コンサルティングの内容ごとに専門チームが形成されており、基本的に1つの案件に対してチーム単位で当たる。チームにはリーダーがいて、メンバーはリーダーの指示に基づいて担当分野を処理することになる。私はリーダーの指示に従って業務を遂行するのだが、どうもこれが私の性分には合わないようである。案件の実務レベルを実際に処理するのは私なのだが、それだけではなく、自分が前面に立ち、自分でストーリーを組み立て、自分で完結させないと気が済まないらしい。実力も省みず生意気なようだが…。

学生の時に東京ドームで見たThe Rolling Stonesのライブ。その時のオープニングナンバーであった「Start Me Up」。キース・リチャーズのテレキャスターが奏でるリバーブの効いたイントロ。タイトルどおり、「これから始まるぞ」という気持ちにさせる。今の自分に必要なものは、自分を信じる心と飛び込む勇気、そして新たなスタートであるように思う。
さて、「Start Me Up」でも聴いて、これから始めますか!
(2010年4月 代表幹事)