2013/07/29

本田選手の発言に思う

先月、サッカーのコンフェデレーションズカップが開催された。日本もアジア代表として参加したが、3戦全敗という結果であり、やはり世界一流の壁は厚いと思わされた。

さて、この大会が始まる前、本田選手が「大会で優勝する」と言っていたことを記憶している方も多いと思う。私はそれを聞いて、「世界の頂点に立つようなチームが出場する大会で日本が優勝できるわけがない。本田もそこまで言わなくてもいいのに」と、その発言には冷ややかな見方をしていた。案の定、日本は1勝もできずに終わった。やはり優勝などは夢のまた夢、という感じである。

しかし・・・今改めて考えてみると、本田選手の発言のせいもあったであろう、私も大会前は、優勝は無理にせよある程度やれるのではないかと期待していた。そして、期待していたがために、「世界のレベルははるかに高い。日本はまだまだ全然だめだ。来年のワールドカップに向けてももっとレベルを上げなければ」という危機感を持った。
もし大会前の発言が「予選リーグを突破したい」という、現実を踏まえた発言だったらどうだっただろうか?同じ3戦全敗だったとしても、「惜しかったね、もう少しで予選突破できたね」という感想だったのではないだろうか。そしてそこには危機感は生まれなかっただろうと思う。
今年はJリーグ発足20周年であるが、思えばJリーグ自体がサッカーファンでさえも「そんな無理だよ」と思うような夢のような目標を掲げて、それをある程度実現してきた。夢のような目標を掲げたからこそ、20年でここまで来たのだろう。


しかし、ブラジル、イタリア、メキシコ・・・世界のトップの力はすごいですね。日本も一流に近づいたけれど、超一流になるには技術だけではない”組織文化”とか”風土”が必要で、それにはさらに30年はかかるのではないだろうか。私が生きているうちにそうなれると嬉しいけれど。
(2013年7月 伊藤 純一)