2014/05/04

イノベーションのヒント

「関係性を深めるため、お客様と飲みに行きました。」
会社勤めの経験がある方ならば、一度はこんなお話を聞いたことはないでしょうか?

会社の決めた基準内であれば、この接待費用は落とせるはずです。
では、この時深まった「お客様との関係性」とは何を指すのでしょうか?

実は、この「接待によるお客様との関係性とは何を指すのか?」は、ある企業での会議で真剣に議論されたことです。論点は、接待交際費の多寡ではなく、交際費が承認された本質的な背景や組織文化だったのですが、私はこの議論を聞いて内心ドキっ!としていました。

今まで、接待による関係性の向上ということに特に違和感を感じていなかったのが、そこに疑問を呈することによって、営業活動や評価基準などにおける組織課題がちょっと考えただけでも次々に出る、言葉の強さを感じたからです。


この半年くらい、組織で継続的にイノベーションを起こすためのマネジメントシステムの構築について、議論・検討をしていました。

その一環として現状の組織におけるイノベーション活動を調査したところ、現状うまく活動は活性化されておらず、その原因の1つに、組織に所属するメンバーが、「イノベーション活動」が不明確であることが挙げられました。

言葉の定義が、明確にされていないから、イノベーションが起きていなかったのです。

ある人は、誰も見たことない商品を「イノベーション」だと思っていましたし、ある人はお昼休み、15分のお昼寝時間を作ることで生産性が向上したことを「イノベーション」だと思っていました。
いずれも正解ではありますが、具体的な活動が異なりますよね?

そこで我々はイノベーション活動についてその定義と評価基準を仮に設定し、数か月前から推進し始めました。その結果、従業員の間でイノベーション活動に取り組む時間と人数は確実に増えており、少しずつ具体的な計画や検討が、この短期間で進み始めているのです!

「何か新しいことを始めたいな、、、」と考えることがあったら、身の回りにあるあたり前の言葉の定義について確認してみてはいかがでしょうか?もしかしたら大きなヒントが隠されているかもしれませんよ!
(2014年4月 長谷川 潤)