2014/10/02

情報の公平性について思うこと

先ごろ行われた全米オープンテニスでは、錦織圭選手が決勝に進出し、テニス界だけでなく、日本中が喜びに沸いたのは記憶に新しいところです。錦織圭選手については、ジュニアの時代よりその活躍とその素質について、松岡修造氏がテレビでよく期待を込めて話をするのを聞かされていて、トップレベルでの活躍を今か今かと待ち焦がれていたところです。これを機に、怪我との戦いにも打ち勝って、上位での継続した活躍を期待したいものです。

  ところで、あなたは、「国枝慎吾」という人、いや選手を知っていますか?
今回 錦織圭選手の活躍が脚光を浴びる中、同じ全米オープンテニスの車いす部門にて、男子シングルスに優勝した選手です。
※ちなみに、この大会では女子シングルスでも上地結衣選手が優勝し、なんと日本人によるアベック優勝が達成されています。知っていましたか?
マスメディア上での取り扱いが地味なため、私もつい最近までその名はもちろん、その功績も知りませんでした。その名前をご存じの方はごく一部のテニスマニアだと思われますが、日本が誇るべき、世界4大トーナメントの制覇(グランドスラム)を達成している選手でもあります。競技人口からいえば決して大きくはない車いすテニス界ではありますが、世界の大会を転戦することだけを考えても、健常な選手と比べ精神的かつ肉体的にも相当な苦労があることが予想される中、世界から称賛されているスーパースターなのです。あなたはこの事実を知っていたでしょうか?また、初めてこの事実を知ることになった方におかれましては、この事実を知らなかったことについてどのように感じられたでしょうか?

  実は、私はこれとある意味似たような出来事を3.11の震災後に感じていました。放射線被曝の人体への影響についての報道の偏り(従来からの「LNT理論」に対する新しい考え方「放射線ホルミシス理論」についての情報の少なさ)です。
※本コラム(2012/09/09)「放射線の風評被害と非科学的迷信支配」を参照方。

  思えば先月(8月)には、朝日新聞の記事捏造問題(組織的、意図的な偏り)が(今頃?)脚光を浴びました。マスメディアからの意図的な偏向情報に、外部被曝として晒され続けざるを得ないのが現代社会を生きる者の宿命です。情報収集のアンテナをそれ以外の領域にも張り巡らすことで、実害が決して閾値(Threshold)を超えることのないよう留意することが、自分、家族、国家を守るために国民に課せられた必須な要件となっているのかもしれない、との思いをさらに強くしたこの8月~9月でした。
(2014年10月 後藤 泰山)