2015/05/31

勉強を仕事に活かすこと

診断士登録からはや1年が経過した。この1年は本当にあっという間に過ぎていった。研究会やマスターコース、診断士協会の支部活動など、興味あるテーマが山ほどあり、積極的に参加、活動していった。これまでの社会人生活と一変した環境となり、非常に充実した1年を過ごす事ができた。

しかし中小企業診断士の資格を取った最大の理由は、十数年携わっている、数千万~数億規模のIT製品の新規開拓営業に活かすことである。一般的にこの投資規模は経営に大きなインパクトを与えるとなる金額なため、投資に見合った効果を提案しなければならない。さらには世間で認知されている有名な競合他社も多数ある中、見込顧客を増やすのも簡単ではない。マーケティング面でも他社と差別化した施策を打っていかなければ競合に打ち勝っていけない状況である。

そこで診断士試験で学ぶ経営学や運営管理などの勉強内容は、企業経営に必要な内容を網羅し、企業全体を俯瞰して見ることが出来るため、企業全体を考えた問題点の発見や、問題点を解決する提案力の向上に繋がる。さらにマーケティングの勉強も新規開拓の考え方を身に付けるという点で、現在の仕事に非常に有効に思えた。実際、業務でも様々なシチュエ―ションで、勉強で得た内容が判断材料となって、よい結果が得られたこともあった。

勉強した内容は、実際の業務で活かすことが出来ることを実感した反面、それは一部の要素であることも認識しておかなければならない。例えば、現代における新規開拓の手法としては、インターネットマーケティングが、主流になり、重点的に勉強する内容である。しかし伝統的な営業手法の一つである、ひたすらターゲット顧客に電話をしての新規開拓も、インターネットで探さない顧客や、掲載した宣伝内容を正確に理解できていないお客様もまだ多く存在し、より効果を出している事例もある。結局、主流のマーケティング手法だけが必ず正解ではないということだ。重要なことは様々なタイプのお客様がいる中、先入観に惑わされず、多様な切り口でアプローチすることである。

診断士の勉強は、営業活動にとって、とても有効な手段であると考えている。ただし、勉強で得た知識が必ずしも正解と捉えずに、あくまで経験により習得したスキルに対して、プラスアルファの内容であることを自覚して、今後も業務に取組みたいと思う。

そして、もう一つ勉強することの効果として得られたことは、仕事に対してより興味を持てるようになったことである。今後、さらに仕事に興味を持ち充実感を持って取り組むために、選択した分野に対して、継続して深く勉強を行い、自身のステップアップを図っていきたいと思う。

(2015年5月 丸目 晃利)