2015/07/02

韻文的なものと散文的なもの

このところ診断士活動のなかで、社会課題の解決を目指す社会起業家(ソーシャルアントレプレナー)の支援に注力しています。
貧困問題、障害者雇用、地域活性化などの課題解決に向けて活動をされていらっしゃるNPOや企業の方々の志は高く、その理念に心打たれることも多いのですが、団体の多くは活動のための資金集め(寄付や会費獲得)に苦慮されています。

一方で資金獲得に成功しているNPOを事例分析してみると、活動内容を伝えるために目を引くようなキャッチーなコピー(フレーズ)を作ったりするなど、伝え方に一工夫が見られます。
崇高な素晴らしい理念にそった活動であっても、活動を淡々と説明するだけでは人の興味はひきづらく、人のこころに響かせるためには、言葉づかいにわかりやすさといった観点での工夫をこらしていくことが大切なようです。

最近、新進気鋭の社会学者である開沼博先生に直接お話をお聞きする機会がありました。
別の文脈での話ではあったのですが、開沼先生は物事を効果的に伝えるためのポイントとして韻文的なものと散文的なものを両面から訴えていくことの大切さを強調されていらっしゃいました。
"論理的で理性に訴えるような表現が韻文で、詩的で心に訴えるような表現が散文。韻文的な表現だけではなかなか心に届かず、散文的な表現だけでは一時的に心をとらえても長続きはしない。"

韻文的なものと散文的なものの両面からの訴えることが、伝えるための大事なコツなようです。

(2015年6月 長田和弘)