観光地は人が多く来訪すると経済的には潤うが、一方で観光資源を傷つけてしまうリスクも高まる。昨年イタリアに行って驚いたのは、観光名所の至る所に観光客が残した落書きがあったことだ。名前や日付などが多く記念に書いたつもりだと思われるが、その場を生業としている管理人や後にそこへ訪れる観光客は心地良く思わないだろう。特に世界文化遺産等は貴重な価値が与えられているので、傷つけることがあっては言語道断だ。今夏には、屋久島のエコツアーに参加したのだが、屋久島内でのゴミ持ち帰り・分別、野生動物への餌付け禁止は周知徹底されていた。自然遺産に登録されている屋久島では、生態系を崩さず守るために観光客へこのようなお願いをしている。
今後、日本から海外へ旅行する人、海外から日本に来る人どちらの人数も増加していくと思われるが、その地へ旅をする以上、その地に適した振る舞い、ルール、マナーを遵守することが大切であると実感した。旅行は非日常で開放的になる分、羽目を外しがちになるが、遵守するべきことをきっちり守ることは一人ひとりの意識の問題である。まわりはどうであれ、まずは自分から。このように思う人が増えれば、後世にも美しい観光資源を残していけるだろう。
(2015年8月 U.H)