2016/06/12

地方での診断士活動について

診断士に登録して1年が経ちました。私は東京ではなく、栃木県の診断士です。この立場から、地方での中小企業診断士について、以下、3つの観点で述べます。

診断士になるまでの学習環境
東京と地方の違い
地方に仕事はあるのか

診断士になるまでの学習環境
「通うのは大変ですが東京の専門学校に通うのがベター」
栃木県には中小企業診断士の専門学校がありません。学校はありますが、講師が在籍していないため、結局はDVD等による自主学習になってしまいます。私は、普通列車で毎週末1時間半かけて東京の専門学校に通いました。交通費により学費を2倍払っているようなものでしたが、効率よく合格できることを考えれば、安上がりだったと思います。
地方の診断士を増やしていくには、小規模、短期間でもよいから、中小企業診断士による中小企業診断士の養成講座が作れれば良いと考えています。

東京と地方の違い
「診断士会に登録している企業内診断士が少ない」
 私自身は企業内診断士です。県の診斷士会に所属している診断士は独立診断士が多いです。ただ、県内に企業内診断士が少ないわけでなく、ほとんどが金融機関や保証協会に所属し、業務のために診断士の資格を取得しているために、診斷士会に所属していません。
 結果的に、知り合える機会が多いのが独立診断士ということになっています。年齢層は、東京に比べると若い方の比率が少ないです。さらに、私のような金融機関以外の企業内診断士はもっと少ないです。
従って、企業内診断士がポイントを取得する機会や、企業内診断士向けの研究会が、東京に比べると少ないのが実情です。私自身のためにも、今後、増えてきてほしい企業内診断士の方のためにも、環境を整えていきたいと考えています。

地方で仕事はあるのか
「仕事は十分にある」
 県の診斷士会と地域の金融機関や保証協会との連携がしっかり取れており、そこから発生する経営革新等の依頼の数は多く、仕事は十分にあるようです。私自身は、まだそのような仕事を請け負った機会はないのですが、諸先輩方の話を伺う限り、むしろ診断士の数は足りていないくらいだそうです。
 また、創業セミナー等の講師の仕事も各市の商工会議所経由で入ることがあり、私も昨年は1年目ながら、講座とワークショップを担当させていただきました。
 診断士会の活動や研究会に関わることで、企業内診断士でも仕事の機会は十分に得ることができると感じています。

 当初、私は地元の栃木での診断士活動に不安を感じていました。確かに、東京ほど企業内診断士が活躍できる機会は多くないかもしれませんが、その少ない機会を積極的に活かす姿勢があれば、十分に診断士としての仕事ができると考えています。
2016年6月 S.M.