2016/07/03

育児と仕事の両立について思うこと

2016年初頭に『保育園落ちた 日本死ね』という匿名ブログが話題になり、ニュースやワイドショーで大きく取り上げられていた。双子の0歳児を育てている身としては、大きく共感できる内容であった。

実際、周りにいる子育て世帯の話を聞くと、都内周辺の認可保育園は、激戦で入園するためのハードルは高く、落ちてしまうことも多い。また入れたとしても自宅から遠い不便な所となってしまう事もある。さらに用事があった場合などに一時的に預かってもらえる一時預かり保育となると、認可保育園の場合、予約が数分で埋まる状況である。さながら超人気歌手のコンサートチケットを入手するようなさまである。子供が生まれた場合、特に双子であっても公共的な支援は皆無で、日本は少子化となっても仕方がないのが実感させられる。

日本の社会で育休制度はほとんど普及していない。男性で取るのは3%程度といった統計もある。特に双子となると一人では育児の負担が重い。需要はとても高いが、認可されていない保育園や一時預かりでは、一般家庭で利用するのは厳しい料金体系であり、さらにサービスの質が不透明で、事故・トラブルや事件となっている事例もあるなど、様々な課題がある。根本的な問題としては認可保育園が少なく、保育士の数も圧倒的に少ない事があげられる。保育士を増やすため、保育士の労働条件改善の話も出ているが、月額数千円程度となりそうで、平均月収と比べて10万円程度も低いなか、改善になるかというとはなはだ疑問である。

日本の中小企業の発展を願い、支援を行う中小企業診断士にとってもワークライフバランスを考えて、企業に提案する必要性を実感している。労働人口の減少が進展するなか、従業員満足度の低い会社は淘汰されてしまう可能性は高い。今後は私自身、経験者として少しでも世の中を変えられるよう、中小企業にもアドバイス出来るようにしてきたいと強く思う。
2016年7月3日 丸目 晃利