2012/09/05

国家資格「中小企業診断士」資格保有者への苦言


この文章は、独断と偏見に満ちているとか、誹謗中傷だとか、私自身を傲慢だとか、尊大な奴だとか、感じる方もいらっしゃるかもしれません。最初にお断りしておきますが、私が個人的に日常で、中小企業診断士資格をお持ちの方々と交流した際に感じたことを記述したものです。特定のどなたかを貶めようというような気持ちは全くありません。たまたま私が仕事をお願いする機会があるので、「上から目線」と感じる方がいらっしゃるかもしれませんが、そのような気持ちは全く持っておりません。それを前提としてお読みいただきたいと思います。

中小企業診断士は、「食えない資格」だとか「足の裏に付いた米粒」(取らなければ気になる、取っても食えない)などと、時には公式の場で、時には内輪で、発言している中小企業診断士がいます。
ほんの一部の方なのか、ある程度の人数がいるのか私は把握していませんが、感覚的には1割くらいの人が発言し、それ以外に5割くらいの方がそう思っていらっしゃるのではないかと感じています?つまり全体の6割の方が、そのように考えていると、私が思っているということです。
私はそのような発言を耳にすると残念でたまりません。一方で「中小企業診断士のステイタスが低すぎる」と声を大にしている方もいらっしゃいます。食えない資格の原因がそこにあるという人もいます。
 私はあえてそんなことを言っている人、思っている人に申し上げたい。「自分でできる限りの努力をせずして、そんなことを言わないでください!」と。私には、発言している人自身が「私は能力の足りない人間です。だから食えないんです。努力もしているつもりですが、他の人よりしていません。」と吹聴して回っているようにしか感じられません。
昨今、弁護士資格を持っているだけで食えますか? 公認会計士ではどうですか? 税理士は如何でしょうか?
そもそも「資格を持っているから、安定した仕事と収入が得られる」なんてありえないと思います。そんな時代があったのかもしれませんが、今は違います。
私のお付き合いさせていただいている中小企業診断士は、バリバリと仕事をしている人が多いです。皆さん良く働いています。よく勉強もされています。知識を得ることに貪欲です。仕事を得ることにも貪欲ですが、ストレートに「仕事が欲しい」などとはおっしゃいません。
どうすれば役に立てるかを一生懸命考えて、それを伝えて(あるいは、伝わって)、仕事のオファーになっているようです。
現在、私が代表社員をしている合同会社があります。また業務委託で、とある事業再生や事業承継の支援をしている組合のプロジェクトマネージャーをしています。診断士の方々に、直接仕事をお願いすることもあります。
私がどんな方に仕事をお願いするか? その基準は何か?というと、「人柄」と「意欲」と「実績」です。こんなことを書くと、「実績の少ない(全くない)自分は、対象外なのか?」と、がっかりされる方がいらっしゃるかもしれません。
私は、仕事を獲得したい方の存在を知ると、機会を提供できないか考えます。同様の苦労をしてきた経験があるからです。ただし、その方の「仕事を獲得したいという必死さ」が伝わってこないと動きません。動きたいと思わなくもありませんが、動けないのです。
私も仕事に対して貪欲なつもりです。特に事業再生の仕事だと、自分のミスが会社の生死にかかわることもあります。緊張感を持って、「何とかするんだ」という強い気持ちで取り組まないと、成果が出ません。そんなことを書くのは簡単ですが、なかなか実現できません。失敗も積み重ねています。
残念ながら、私が自由に使える時間が非常に少ないのです。こんな状況の私に、どうすれば自分の思いを伝えられるか考えてみてください。多分いろいろな場面で忙しい人に何かをお願いをしなければならない機会があると思います。どうすればその人が動いてくれるのか? 動かすために、自分が何をするか? それを一生懸命に考えて、動いてみることが大切だと思います。
私自身、中小企業診断士として社会貢献したいと強く思っています。もちろん中小企業診断士のステイタスが高くなって欲しいと思っています。でも待っていてもそれは実現しません。社会貢献するために何をするか? ステイタスを高めるために何をすれば良いのか? 考え続け、実行し続けていかなければ実現しないと考えています。
説教臭くなりましたが、私の中小企業診断士に対する問題意識を披露させていただきました。
(2012年8月 岩本 亨)