2015/11/29

「反省」の二面性

昨今寒い日が続きますが、11月ももうすぐで終わりを迎えます。
12月は忘年会シーズンでもあり、師走でもあり。年の瀬で忙しくなる中、忘年会で今年の嫌なことを忘れてしまいたい方も多いはず。

私は12月にその1年を振り返る反省の時間を作るようにしていますが、どうしても「●●がダメだったから、来年はこうしよう」という「問題点の抽出⇒改善する」、という思考回路に陥りがちになっています。
ここは日本人的思考で「反省」やら「振り返る」という言葉を使うときに「ダメだったこと」に目が向きやすい、ということをひしひしと感じています。それを受けて今回は「反省」をテーマとしたコラムです。

「反省」という言葉をGoogle先生に聞いてみると、以下の2つが出てきます。
・自分のしてきた言動をかえりみて、その可否を改めて考えること
・自分のよくなかった点を認めて、改めようと考えること
 ※出展:デジタル大辞泉

冒頭の話は2番目ですが、「反省」には1番目の意味もあります。
「その可否」とあるように、「否」がすべてではありません。
「なぜ上手くいったのか」を考え、「今後に活かすこと」も反省です。

私は入社2年目の後輩の指導員もしており毎週金曜日に週報をチェックしていますが、配属当初は「今週の反省」の欄に「今週ダメだったこと」と「今後どうするか」が並んでいました。
日本の教育は全員が平均点以上を目指すところがあり、悪いところを直すところは強いですが良いところを伸ばす面が弱く、そういった教育で育った後輩が「まずはダメなところを・・・」と週報に書いてくるのは至って自然です。

いわゆる「反省文」を読んでいても面白くないので、方針を変えました。
そして後輩に「ダメだったことを読んでいてもお互いに面白くないから、上手くいったことを書いてくれ」とお願いしました。
自分がうまくいったことを考えた方が、本人の気持ちもあがってくると思ったんですよ。
なかなか時間はかかりましたが、半年くらい経ってくると仕事をうまくやれていることが週報からも読み取れるようになってきました。そして「どうして上手くいったか」を書いてきてくれるようになりました。
ちょっとした軌道修正でしたが、後輩の成長にもつながったようです。

みなさんも年の瀬に「今年上手くいったこと」を振り返ってみてはいかがでしょうか?
世の中的には後向きになる話題が多いですが、自分自身の活動の中に1つでも前向きなことが見つかればいいなと思ってのコラム執筆でした。

いよいよ冬本番ですが、寒暖差が激しい中で風邪を引いている方も多くなっているようです。健康管理にはくれぐれもご注意ください。

2015.11.29 岩谷雅仁