2016/04/03

北海道新幹線開業

3月25日、仕事の関係で北海道・岩見沢に行ってきた。夕方仕事が終わり東京に帰る時間になったが、札幌で少し時間があり考えてみると、今日は金曜日、せっかく札幌に来たのだから日帰りはもったいない一泊して帰ろうと予定を変更した。

札幌で一泊し、翌日昼に千歳空港でチェックインをしようとすると、なんと「予約がありません」と言われてしまった。確認してみると、どうも昨夜ネットで予約を変更した際に、予約+支払手続きまでしなければならなかったところを、支払手続きをしなかったために予約がキャンセルされたとのこと。その日は土曜日のため17時まで空席がない、しかも当日券は4万円と言われて呆然とした。

仕方なく空港でビールを飲んで時間をつぶしていたが、ふと「電車で帰ればどうだろう」と思い、スマホで調べてみると、料金は2万6千円、しかも今日はなんと北海道新幹線の開業日!JRの窓口に聞くと新幹線の予約もできるという。これはもう天の導きに違いない!と電車で帰ることに予定を変更した。

千歳空港から電車で3時間弱、18時に函館北斗駅に到着。いざ新幹線に乗ってみると、予想に反して席はガラガラである。1列が2席+3席と東海道新幹線と同じ構造であるが、1列に1人いるくらい、つまり乗車率は20%。土曜日の最終の東京行きということもあるだろうが、初日にしてこれで大丈夫だろうかと心配になった。その後のニュースによると、乗車率は初日61%、27日37%、28日31%だったとのこと。また今後の目標としても乗車率は26%とのことで、当分赤字の見込みであるという。現在は函館まで4時間+札幌まで3時間、15年後に札幌まで開通したとしても、札幌までおそらく5時間、料金は飛行機とあまり変わらないという状況で、顧客はどちらを選択するだろうか?新幹線は相当苦しい戦いを強いられるだろうことが予想される。これを解決するにはどんなアイデアがあるだろうか?

1つの案としては、新幹線を単なる移動の手段としないということがあるのではないか。飛行機であれば、朝東京を出れば昼からは札幌で観光ができる。対して新幹線で朝東京を出ても札幌につくのは午後。移動で1日がつぶれてしまう。単なる移動の手段として競っては勝てないであろう。移動の手段としてのみ考えるのではなく、新幹線に乗ること自体を旅の目的の一つとさせる必要がある。

例えば、全席をグリーン車仕様にする。乗車率26%ということは、そんなに席はいらないということだ。5時間の時間をゆったりとした席で過ごせるようにする。また飛行機のように全席にテレビをつけて映画が見られるようにする。車内販売もJRのいつもの弁当ではなく、北海道新幹線だけでしか食べられないおいしいものにする。あるいは食堂車を復活させる。平日は割引運賃にしてシニア層でゆっくり旅を楽しみたい人を呼び込む、など。

私は北海道新幹線を活性化させるキーワードは「新幹線に乗ること自体を旅の目的とする」であると考えますが、皆さんはどう考えますか?
2016年4月 伊藤 純一