2016/04/06

SEの魅力

 2015年4月に中小企業診断士に登録しました。この1年間、企業内診断士として会社に勤めながら診断士の活動をしてきました。プロのコンサルタントの先生方と接する機会が多くなり、様々刺激を受けた1年でした。また本業についても考えさせられる1年でした。

所属している会社は変わっていますが、一貫してSE(システムエンジニア)をしてきました。入社して初めての仕事は、地方銀行の勘定系システムで稼働するファイルメンテナンス用のバッチプログラムの改定でした。今と違ってPCが一人一台でなく共用していましたので、プログラミングも紙に書いて行いました。設計を行う時のフローチャートも現在のようにEXCELを使用して記述するのではなく、紙にフローチャート作成用の定規をあてながら図表を書きました。紙に書いたプログラムを、汎用機に接続しているオンライン端末から打ち込みました。共用の端末なので、使用されていない時の合間を見ながらプログラムの打ち込みをしたのを覚えています。もう少し前の世代は、プログラムはパンチカード(紙)に専用の機械で紙に穴をあけていました。

  まだ会社に入って数年ぐらいの時は、汎用機に処理をさせるためのジョブの投入はパンチカードを利用していました。実際にパンチカードの束を、パンチカードリーダーに読み込ませて一つの「仕事」をしていたので、コンピュータに何をさせているかたいへんわかりやすかったです。お客様のコンピュータルームでは、当日に処理を行うパンチカードの束が並べられていました。

 今まで覚えてきたプログラミング言語は、最初にいた会社で汎用機用に作られたNEAT/3という言語から始め、VBやC言語やJAVAです。プログラミング言語自体は進化していき、プログラムを書く量が減ってきています。ただ構築するシステム環境が複雑になってきている影響で、自動で作成されるプログラムが増えたので、プログラムの全体量は膨大になっています。とても一から構築はできないので、クラスやライブラリというあらかじめ汎用的に利用できる部品が用意されていて、それにプログラムを追加する形で仕上げていくようになりました。プログラミング言語自体というより、クラスやライブラリを覚えていないとプログラムが作成できないです。あまりに複雑なのでオブジェクト指向という技術で、複雑さを減らす工夫をしているのですが、初心者にはなかなか理解するのが難しいと思います。ただ、コンピュータの技術は「0」と「1」であらわされる数字の組み合わせからなっていて、基本原理は全く変わっていません。昔に覚えたノウハウが今でも利用できると思うことが多いです。

 SEの仕事自体は他の事務職と大差ないと思いますが、このような技術的な面が時々出てくるので、SE経験のない他業態の人がSEになることは難しいと思います。

 SEの仕事はたいへんな時もありますが、時間をかけて作ったシステムが動いたときの喜びは代えがたいものがあります。プロのコンサルタントの仕事の魅力も感じた1年でしたが、今までの経験が活かせ、環境の変化が激しく面白味のあるSEの仕事をさらに極めていきたいと感じた1年でもありました。

2016年4月 丹羽 陽一